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2021.12.23出版物のお知らせ
アレキシサイミアと内受容感覚に関する論文が出版されました
アレキシサイミア傾向と内受容感覚および感情認識の関連性についての論文が出版されました。
アレキシサイミアは、感情への気づきやその言語化が苦手である、また、思考の対象が外的な環境に向きやすいなどの特徴によって説明される性格傾向です。心身症との関連性において注目されてきた傾向で、身体と主観的感情経験のつながりを考える上でも重要な概念です。
この研究では、MRIの中で、自身の心臓の動きに注意を向けてもらう条件(内受容感覚条件)や、これから起きるネガティブな出来事への不安に注意をむけてもら条件(不安条件)を用意し、その際の脳活動とアレキシサイミア傾向の関係を調査しました。
アレキシサイミア傾向が高い個人では、内受容感覚条件で身体の様々な領域からの情報を統合する機能的ネットワークの結びつきが弱いこと、不安条件では反対にこのネットワークの結びつきが強まることが示されました。
このような結果は、内受容情報の処理に関わる脳活動の変容が、感情の認識やそのコントロールに影響を及ぼすことを示しています。
本研究成果はEuropean Journal of Neuroscienceの2021年12月号(Volume54, Issue11)に掲載されました。
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